FreeCAD 0.16がリリースされたがリリースノートによると応力解析(構造解析)を行なうためのFEMワークベンチがかなり改善されたらしいので簡単に試してみた。

形状作成

まず題材として自転車のフレームの簡易モデルを作成した。

Bicycle-frrame
Keithonearth https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Bicycle_Frame_Diagram-en.svg

パートデザインワークベンチでスケッチを描いておおよその形状の寸法を設定
Sketch

パートワークベンチでスケッチに沿ってスイープを行って3次元形状を作成。ソリッドのパイプ化、結合など行って形状完成。
Solid

前処理と計算

FEMワークベンチに移動してメッシュを作成。デフォルトの設定で作成したところメッシュ数は12万弱になった。
Mesh

適当に材質、境界条件を設定し、ソルバーのタスクパネルで静的解析を選択して計算を実行した。計算にかかった時間は169秒だった(CPU:Core i7-2600 3.40GHz)。
Solver

結果表示

結果表示では各方向の変位、変位の絶対値、ミーゼス応力が選択でき、それぞれの最小値・最大値・平均値を確認できる。また変位をメッシュ形状に反映させるための機能もある。
Post

変位の絶対値のコンター表示
Disp-Abs

X・Y・Zの各方向の変位のコンター表示
Disp-X Disp-Y Disp-Z

ミーゼス応力のコンター表示
VonMisesStress

変位を3000倍に拡大してメッシュに反映させた場合の表示
Disp-Abs-3000

まとめ

簡単に試した限りでは以前のバージョンよりもかなり使いやすくなっている。計算精度の評価に関しては別に行なう必要があるにせよ、使い勝手という点では解析の内容によっては実用に耐えるのではないかと思う。

今回は全ての機能を試してはいないが、バージョン0.16では次のような改善が加えられているようだった。

  • 使用できる材質の種類が増えている
  • 部分ごとに異なる材質を設定できるようになっている
  • ビーム要素・シェル要素を使用できるようになっている
  • 境界条件の種類が増えている(変位指定、圧力指定など)
  • 解析タイプに周波数解析が追加されている
  • ユーザーインターフェイスが整理され、以前のバージョンより使いやすくなっている